塩 尻
美術会

絵の見方・描き方について
篠原昭登先生の残された言葉

現在茅野市美術館で行われています、篠原昭登先生の作品展を改めて見て、その作品の迫力に圧倒されました。私の師匠であった篠原先生が亡くなられてもうすぐ一年になります。
亡くなられる前日、私は知らせを受け、諏訪中央病院に駆けつけました。先生はお子さんたちに囲まれ、ベッドに寝ておられましたが、特に変わったふうもなく、お話をされていました。絵の関係者は私と田中正行さんの2人でしたが、絵の話や一水会の話などをしました。口調がはっきりしていて、翌日早朝亡くなるとは思いませんでした。まだまだ活躍して欲しかったのにとても残念です。
さて、先生の絵を見ているうちに、先生の残された言葉のいくつかが思い出されてきましたので、書き出してみました。絵を描く皆さんには参考になると思います。

* 自分勝手に描きなさい
* 師匠の真似をしてはいけない
* 脇役が威張ると主役が生きない
* 展覧会に一度や二度落ちてもどうということはない
* 一つの絵を置く場所を変えて見ると欠点が見えてくる
* 写生地に着いたら直ぐ描きだすのではなく じっくり歩いてから場所を決めるといい
* 有名な山は描くな 過去多くの作家が傑作を描いているので それを超えるのは至難の業
* 山ひだを細かくやり過ぎると量が逃げる
* 上にある物にとらわれず 台地のうねりを捉えなさい
* 前景、中景、遠景を意識すること 山を支える部分が必要
* 空を描く時 雲はうるさくならないように
* 田んぼの面は水平に 斜めだと水が流れてしまう
* 山の頂上は真ん中にこないように
* 木のくせを見つけなさい
* 海は深さを感じるように
* 絵の中を目が動くように構図を考えて
* 見せたい所は細かくてもよいがそうでない所はおおざっぱに
* 太い筆で思い切ってぐいぐい描く
* 抜け所を考えて
* 描くだけでなく引いて終わりの時があってよい
* この絵の季節・時間はいつぐらいですか
* この絵は悪い例として取っておきなさい
* この絵はこれで完成 サインを入れて取っておきなさい

以上思いつくまま書いてみました。

go top
go home